今年はスマッシング・パンプキンズ(Smashing Pumpkins)とのハイブリッド・ツアーやサマーソニック2015での来日公演も行ったロックバンド、マリリン・マンソン(Marilyn Manson)が、1998年、全米初登場1位を獲得した有名なアルバム『メカニカル・アニマルズ(Mechanical Animals)』。
三部作構想の第二章「機械動物」
リリース元のNothing(ナッシング)レーベルの創始者でもあるナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)のフロントマン、トレント・レズナー(Trent Reznor)と共同製作した前作『アンチクライスト・スーパースター(Antichrist Superstar)』のヒットを受け、メタル界のニューカリスマとして大成功を収めていたマリリン・マンソン。
この『メカニカル・アニマルズ』は、その第二章(後のアルバム『Holy Wood(In The Shadow Of The Valley Of Death)』を含む三部作構想)となる新作として、誰もがメタル楽曲を想像していたが、内容はじつに爽快なロック・アルバム。メロディーもポップでノリもよくバラエティーに富んだ15曲。「メカニカル」の名の通り、打ち込みなどのアレンジも豊富で、『アンチクライスト・スーパースター』とは、全く別のアルバム。
収録曲も、マンソン史上最も売れたシングルである「ザ・ドープ・ショー(The Dope Show)」、キアズ・リーブズ主演のアクション映画「マトリックス」の主題歌になった「ロック・イズ・デッド(Rock Is Dead)」など、ライブ定番曲を収録。「ロック・イズ・デッド」のように観客がシャウト、コーラスするノリのいいポップ・ロックは、後のマンソンの十八番になった。そのほか「I Don’t Like the Drugs (But the Drugs Like Me)」、「Coma White」もシングル化。
シングル曲だけじゃない。「I Want to Disappear」、「New Model No. 15」、「User Friendly」などのエロくてコーラスのノリのいいロックも最高だし、「Great Big White World」、「Mechanical Animals」、「Disassociative」、「The Speed of Pain」、「Fundamentally Loathsome」、「The Last Day on Earth」など、アルバムのほぼ半分はスローバラード曲なのも、マリリン・マンソンのバンドとしての音楽性の幅広さを感じます。
Tracklist
- Great Big White World
- The Dope Show
- Mechanical Animals
- Rock Is Dead
- Disassociative
- The Speed of Pain
- Posthuman
- I Want to Disappear
- I Don’t Like the Drugs (But the Drugs Like Me)
- New Model No. 15
- User Friendly
- Fundamentally Loathsome
- The Last Day on Earth
- Coma White